特集 薬にまつわる疑問に答える
耳鼻咽喉科頭頸部外科の共通病態への薬剤投与
放射線障害
岡本 啓希
1
,
丸尾 貴志
1
,
大島 幸彦
2
,
林 良亮
3
,
藤本 保志
1
Hiroki Okamoto
1
,
Takashi Maruo
1
,
Yukihiko Ohshima
2
,
Ryosuke Hayashi
3
,
Yasushi Fujimoto
1
1愛知医科大学耳鼻咽喉科頭頸部外科
2愛知医科大学放射線科
3愛知医科大学薬剤部
キーワード:
頭頸部癌
,
放射線障害
Keyword:
頭頸部癌
,
放射線障害
pp.1263-1267
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000321
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はじめに
頭頸部癌治療における化学放射線療法は,新しい薬剤の登場や最新の臨床研究の知見により,さまざまに進化した。初期癌に対する放射線単独療法から進行癌に対する高用量シスプラチン併用の化学放射線療法,分子標的薬を使用した化学放射線療法,低用量シスプラチン毎週投与の術後化学放射線療法,さらには上顎洞癌に対する動注化学放射線療法など,多岐にわたる。頭頸部癌治療に欠かせない放射線治療の有害事象に対する支持療法は必要不可欠である。放射線治療の有害事象には,顔面や頸部の皮膚炎,口腔・咽頭の粘膜炎,唾液腺障害,好中球減少症などがある。これらの有害事象は,適切に対処しないと治療完遂率の低下,すなわち予後の低下に繋がるとされる。
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