特集 ここまで進化した補聴器と人工内耳診療
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Charcot-Marie-Tooth病に伴うauditory neuropathyに対する人工内耳と補聴器
松田 信作
1,2
,
加我 君孝
1,3
Shinsaku Matsuda
1,2
,
Kimitaka Kaga
1,3
1国立病院機構東京医療センター臨床研究(感覚器)センター
2練馬光が丘病院耳鼻いんこう科
3神尾記念病院附属聴覚クリニック
キーワード:
Auditory Neuropathy
,
Charcot-Marie-Tooth病
,
人工内耳
Keyword:
Auditory Neuropathy
,
Charcot-Marie-Tooth病
,
人工内耳
pp.211-216
発行日 2022年2月1日
Published Date 2022/2/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000051
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はじめに
遺伝性ニューロパシーは表1に示すようにさまざまな疾患が存在する1)。その中でもCharcot-Marie-Tooth病(以下CMT病)は末梢神経障害を呈する代表的な疾患であり,1886年にJean-Martin Charcotと,その弟子であるPierre MarieおよびHoward Henry Toothによって報告された末梢側の筋力低下を主症状とした疾患である2,3)。遺伝子変異によりCMT type 1,3などのように脱髄型ニューロパシーを呈するもの,もしくはCMT type 2のように軸索障害型ニューロパシーを呈するタイプに大別される神経障害をきたす疾患で,多くの亜型が存在する。その中心症状である末梢側の筋力低下に,聴力障害や視力障害などを合併する症例がこれまでにも報告されてきた4~6)。しかし,これらの聴覚障害がどのようなタイプであるかは明らかでなく,感音難聴とされているものが多い。
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