【シンポジウム】全身性エリテマトーデス合併妊娠における妊娠転帰の予後予測因子と免疫細胞分画の変化

Immune cell subset alterations and predictors of pregnancy outcomes in systemic lupus erythematosus pregnancies

はじめに

　全身性エリテマトーデス（systemic lupus erythematosus：SLE）は，自己抗体産生や免疫複合体の沈着を基礎とし，多臓器に影響を及ぼす自己免疫疾患である。生殖可能年齢での罹患が多く，さまざまな既報で，SLE合併妊娠では早産，妊娠高血圧腎症，胎児発育不全など，母児ともに妊娠合併症が増えることが報告されている^{1, 2）}。当院では，膠原病合併妊娠外来を開設し，SLEや関節リウマチをはじめとする多くの膠原病疾患をもつ女性患者の紹介を受け，診断直後からの早期介入，薬剤調整を行い，ライフステージに寄り添い，患者の希望の妊娠，出産計画を叶えるべく，挙児可能年齢および挙児希望患者への支援を行っている。