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特集 腎疾患治療薬 フロントライン
各論
第2章 慢性腎臓病・透析合併症
22.腎性貧血治療薬:エリスロポエチン製剤;ダルベポエチンα
Darbepoetin alfa
林 晃正
1
Hayashi Terumasa
1
1大阪急性期・総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
エリスロポエチン(EPO)
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
Keyword:
エリスロポエチン(EPO)
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
pp.240-244
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002140
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1 はじめに
1990年に腎性貧血治療薬として導入されたエポエチン製剤(エポエチンα,エポエチンβ)は半減期が短く,頻回の投与が必要であったため,半減期を長くした第二世代エポエチンとしてダルベポエチンαが開発された。2007年7月透析施行中の患者を対象に「ネスプ®」が発売され,2010年8月には保存期慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者にも使用できるようになり,投与経路も皮下投与が可能となった。また,2019年8月には,「ネスプ®」のオーソライズド・ジェネリック(authorized generic:AG)として「ダルベポエチン アルファ」が発売された。これらの製剤は,赤血球造血刺激因子製剤(erythropoiesis stimulating agent:ESA)と総称されている。効能または効果については,腎性貧血,骨髄異形成症候群に伴う貧血,ベルズチファン〔低酸素誘導因子(hypoxia-inducible factor:HIF)-2α阻害薬)投与に伴う貧血となっているが,本稿では主に腎性貧血治療薬としてのダルベポエチンαについて,患者予後ならびにESA低反応性の観点をから,実臨床での使用方法を中心に解説する。なお,腎臓でのエリスロポエチン(erythropoietin:EPO)産生を刺激するHIF-2αを阻害する薬剤であるベルズチファンによる貧血についても簡単に触れる。

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