今月の主題 腎疾患のトピックス
腎疾患におけるホルモンの役割
エリスロポエチン
高久 史麿
1
1自治医大・第1内科
pp.1106-1107
発行日 1974年9月10日
Published Date 1974/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205553
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エリスロポエチンについて
エリスロポエチンは赤血球の産生を調節している体液性の因子であり,いろいろな点でホルモンとしての性格を有している.その性質はムコ蛋白質で,最近の検索から分子量は46,000であると報告されている.正常ヒトあるいは動物の血中,尿中には微量ではあるがエリスロポエチンの存在が証明されており,抗エリスロポエチン抗体を使った動物実験の結果から,正常の赤血球産生はすべてエリスロポエチンの支配下にあり,エリスロポエチンの存在なしには赤血球の生成の行なわれないてとが証明されている.この血中,尿中のエリスロポエチン値は緊急事態,たとえば急性の貧血症や低酸素状態の時に著しく増加して赤血球の産生の亢進がおてってくる.
エリスロポエチンの産生には以下のべる如く腎臓が密接に関連しており,そのため腎の障害時におけるエリスロポエチンの動態が問題になっている.
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