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特集 腎性貧血の最新動向―2025年版CKD患者における腎性貧血治療ガイドラインの要点と実践
各論
2025年版日本透析医学会「慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン」の要点と適切な活用に向けて 小児患者の腎性貧血の診断
Diagnosis of anemia associated with CKD in pediatric patients.
芦田 明
1
ASHIDA Akira
1
1大阪医科薬科大学医学部小児科学
キーワード:
診断基準値
,
栄養障害
,
鉄需要量増加
,
エリスロポエチン欠乏
Keyword:
診断基準値
,
栄養障害
,
鉄需要量増加
,
エリスロポエチン欠乏
pp.349-353
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000002026
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はじめに
小児の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)における腎性貧血は,成人と同様に,最も一般的でかつ重要な合併症であり,CKDステージの進行とともに合併する率が高くなる。その頻度は,North American Pediatric Renal Trials and Collaborative Studies(NAPRTCS)CKDレジストリに1994年から2008年まで登録収集された6,242症例のデータからの解析では,CKDステージG3で73%,ステージG4で87%,ステージG5で93%以上1),The Chronic Kidney Disease in Children Study(CKiD Study)のデータ解析でも,糸球体濾過量(glomerular filtration ratio:GFR)が43 mL/min/1.73 m2未満で,ヘモグロビン値は,GFRの低下に伴って低くなると報告されている2)。このことは,小児においてもCKDステージの早期の段階から腎性貧血が出現していることを示唆している。

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