特集 腎性貧血治療のこれまでと,その新しい展開
4.これまでの腎性貧血治療(3)腎性貧血治療の課題 a.保存期CKDでの課題
平林 千尋
1
,
丸山 之雄
1
,
山本 裕康
1
1東京慈恵会医科大学附属病院腎臓・高血圧内科
キーワード:
貧血
,
慢性腎臓病(CKD)
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
,
ESA低反応性
Keyword:
貧血
,
慢性腎臓病(CKD)
,
赤血球造血刺激因子製剤(ESA)
,
ESA低反応性
pp.41-46
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001588
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慢性腎臓病(CKD)患者の代表的な合併症である腎性貧血は,腎機能悪化の進行要因になるとともに患者の予後不良因子にもなる.腎性貧血治療の中心は赤血球造血刺激因子製剤(ESA)と過不足のない鉄補充療法であり,わが国の保存期CKD患者における維持すべき目標ヘモグロビン(Hb)は11〜13 g/dLとされている.一方で,十分量のESAを投与してもHb値が上昇しない,あるいは目標Hb値を維持できないESA低反応性の患者は,予後不良である可能性が高く注意が必要である.現在,わが国ではESA低反応性を呈する症例を対象とした臨床研究が進んでおり,今後,ESA低反応性の実態や管理法が明らかになることが期待される.
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