Japanese
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特集 CKD患者に望まれる造血・鉄代謝異常の管理
各論
ESA療法とHIF-PH阻害薬治療 ESAファーストの立場から
ESA therapy and HIF-PH inhibitor therapy from the standpoint of “ESA first”
林 晃正
1
HAYASHI Terumasa
1
1大阪急性期・総合医療センター腎臓・高血圧内科
キーワード:
ESA
,
HIF-PH阻害薬
,
予後
,
低反応性
,
悪性腫瘍
Keyword:
ESA
,
HIF-PH阻害薬
,
予後
,
低反応性
,
悪性腫瘍
pp.844-848
発行日 2024年12月25日
Published Date 2024/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001701
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はじめに
1989年,米国で最初のESA(erythropoiesis stimulating agent)である遺伝子組み換えヒトエリスロポエチンが使用可能となり,翌1990年にはわが国において透析患者での使用がはじまったことで,腎性貧血が治療可能な病態となった。慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者のヘモグロビン(hemoglobin:Hb)値は劇的に改善し,死亡率の低下,心不全の減少,輸血の回避,QOL改善など多くの恩恵をもたらした1~3)。その後約20年間は,目標Hb値に関する論争の時代であり,海外における大規模ランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)の結果4~6),Hb正常化により心血管イベント発症や死亡の有意な増加が示され,ガイドラインに大きな影響を与えた7,8)。
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