Japanese
English
特集 病理からせまる腎疾患の病因・病態解明
特殊技術を駆使した腎疾患の病態解明
特殊免疫染色を用いた解析:空間バイオインフォマティクスが見出す新しい病理像
New pathological insights uncoverd by spatial bioinfomatics
平井 敏仁
1
,
清水 朋一
2
,
堀田 茂
3
,
石田 英樹
2
,
高木 敏男
1
HIRAI Toshihito
1
,
SHIMIZU Tomokazu
2
,
HORITA Sigeru
3
,
ISHIDA Hideki
2
,
TAKAGI Toshio
1
1東京女子医科大学泌尿器科
2東京女子医科大学移植管理科
3東京女子医科大学移植腎病理室
キーワード:
Spatial bioinfomatics
,
multiplex immunofluorescent imaging
,
transplant rejection
Keyword:
Spatial bioinfomatics
,
multiplex immunofluorescent imaging
,
transplant rejection
pp.483-488
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001475
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はじめに
2019年に10x Genomics社からVisium Spatial Gene Expression assayが発売され,組織サンプル内の空間的な遺伝子発現パターンが高解像度で視覚化できるになった。同時に,新技術により得られた膨大な遺伝子発現データを解析するための空間バイオインフォマティクスが発展している。空間遺伝子発現解析の詳細については他稿に譲るが,コンピュータ解析の導入により顕微鏡所見ではわからなかった新しい病態生理が解明されている。一方で,こうした解析はいまだにきわめて高額であり,臨床アウトカムとの相関をみるサンプル数の多い研究への応用は予算的に難しい。現実的には,空間遺伝子発現解析で明らかとなったターゲット分子の蛋白発現を免疫染色などで検証することで,知見の裏づけを取ることになる。
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