特集 学びなおし腹膜透析
4.腹膜透析の処方をどうするか
本多 佑
1
,
丹野 有道
2
1東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科
2東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 腎臓・高血圧内科
キーワード:
腹膜透析
,
適正透析
,
溶質除去
,
体液管理
Keyword:
腹膜透析
,
適正透析
,
溶質除去
,
体液管理
pp.601-608
発行日 2024年6月10日
Published Date 2024/6/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000003006
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腹膜透析(PD)の処方においては,残存腎機能を踏まえ,限られた条件のなかで体液の質と量を適切に管理することが求められる.「質の管理」においては,小分子量尿毒素の除去に加え,中分子量尿毒素の除去にも注意を払う必要がある.前者はPD処方の適正化により是正可能だが,後者は残存腎機能に大きく依存することを理解する必要がある.一方,「量の管理」では,浸透圧物質の選択と注液時間・注液量・体位などの調整による適切な除水の維持が鍵となる.治療スケジュールの選択は,患者ごとに最適化されるべきである.患者指向型透析治療の理念を踏まえ,患者一人ひとりの生活様式に寄り添い,QOLの向上を目指したPD処方が求められる.
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