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特集 糖尿病性腎症研究の最前線
糖尿病性腎症の発症機序
糖尿病性腎症におけるミトコンドリアの役割
Novel fingings of the mitochondria in diabetic nephropathy
長谷川 一宏
1
,
田蒔 昌憲
1
,
柴田 恵理子
1
,
湊 将典
1
,
稲垣 太造
1
,
清水 郁子
1
,
山口 純代
1
,
宮上 慎司
1
,
多田 美穂
1
,
𦚰野 修
1
HASEGAWA Kazuhiro
1
,
TAMAKI Masanori
1
,
SHIBATA Eriko
1
,
MINATO Masanori
1
,
INAGAKI Taizo
1
,
SHIMIZU Ikuko
1
,
YAMAGUCHI Sumiyo
1
,
MIYAGAMI Shinji
1
,
TADA Miho
1
,
WAKINO Shu
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部腎臓内科学分野
キーワード:
腎糖新生
,
ミトコンドリア
,
metabolic reprogramming
Keyword:
腎糖新生
,
ミトコンドリア
,
metabolic reprogramming
pp.159-164
発行日 2024年2月25日
Published Date 2024/2/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001187
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はじめに
ミトコンドリアと糖尿病性腎症について,特に最近注目されている代謝リプログラミングに焦点を当てて述べたい。解糖系,糖新生は細胞質,トリカルボン酸(tricarboxylic acid:TCA)回路,酸化的リン酸化(oxidative phosphorylation:OXPHOS)はミトコンドリアで行われる代謝である。また,脂肪酸β酸化(fatty acid beta-oxidation:FAO)も主にミトコンドリアで行われる。これらの基質,中間代謝物,最終生成物の多くは,細胞質-ミトコンドリア間を往復するので,細胞質-ミトコンドリアのクロストークがあり,そのエネルギー代謝センサーとして,アデノシン一リン酸活性化プロテインキナーゼ(adenosine monophosphate-activated protein kinase:AMPK)などの分子が旧来から研究されてきた。しかし,AMPK活性化薬が糖尿病性腎症を制圧できたわけではないため,これらの分子によってすべての糖尿病性腎症のエネルギー代謝を説明しきれるわけではない。
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