Japanese
English
特集 CKD患者の栄養管理update
病態を考慮した栄養介入の実際
リン管理―CKD-MBDと栄養
Nutritional management of phosphorus in CKD-MBD
小池 萌
1
,
東 彩生
1
,
小宮 蒼
1
,
塩﨑 雄治
1
,
瀬川 博子
1
KOIKE Megumi
1
,
HIGASHI Ayami
1
,
KOMIYA Aoi
1
,
SHIOZAKI Yuji
1
,
SEGAWA Hiroko
1
1徳島大学大学院医歯薬学研究部応用栄養学分野
キーワード:
リン代謝調節機構の理解
,
食品の置き換え
,
調理の工夫
Keyword:
リン代謝調節機構の理解
,
食品の置き換え
,
調理の工夫
pp.112-116
発行日 2024年1月25日
Published Date 2024/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001175
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は,腎機能が進行性に低下する疾患であり,腎臓が尿中へリンを排泄する能力を失い,リンバランス調節機構が破綻する。このリンバランス調節機構の異常において,高リン酸血症が観察される前に,CKD進行の初期にリン利尿因子である線維芽細胞増殖因子23(fibroblast growth factor 23:FGF23)や副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)の変動が起こっている。リン代謝障害は慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(chronic kidney disease-mineral and bone disorder:CKD-MBD)の発症と進行の誘因であることから,CKD-MBDに対する治療において,リン代謝の制御が重要である。その戦略は,食事からのリンの摂取または吸収の制限であり,腎臓へのリン負担の軽減により進行を防ぐだけでなく,CKD-MBDのリスク上昇とそれに伴う死亡率上昇を抑制することを目的としている。適切な栄養管理を理解し,指導するためには,基本的なリンの役割からリン代謝調節の新しい発見,治療法を理解する必要があるため,本稿では,それらについて概説する。
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