Japanese
English
特集 CKD-MBD ―進歩と革新
CKD-MBDの病態
無機リン酸の調節機構
Regulatory mechanism of inorganic phosphate
小宮 蒼
1
,
東 彩生
1
,
瀬川 博子
1
KOMIYA Aoi
1
,
HIGASHI Ayami
1
,
SEGAWA Hiroko
1
1徳島大学医歯薬学研究部応用栄養学分野
キーワード:
腸
,
骨
,
腎
,
細胞内外
,
センシング
Keyword:
腸
,
骨
,
腎
,
細胞内外
,
センシング
pp.549-554
発行日 2025年5月25日
Published Date 2025/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001863
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はじめに
慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は,腎臓が尿中へリンを排泄する能力を失い,リンバランス調節機構が破綻する。リン代謝障害はCKD-MBD(慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常)の発症と進行の誘因であることから,CKD-MBDに対する治療において,リン代謝の制御が重要である。腎臓は,生体内のリンバランスを最終的に調整する中枢的な役割を担う臓器であり,余剰なリンを効率的に排出する。リンバランスの調節には,腸,骨,腎臓,副甲状腺といった複数の臓器と調節因子(ホルモン)が連携し,複雑なネットワークを形成しているため,すべてが明らかではない。本稿では,リン代謝の基本的なメカニズムを概観し,その理解を深めることを目指す。

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