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特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅷ.腎移植関連
3.感染症 ②ニューモシスチス肺炎
Pneumocysitis jirovecii pneumonia after kidney transplantation
蜂須賀 健
1
Hachisuka Takeshi
1
1板橋中央総合病院臓器移植センター 移植外科・腎臓外科
キーワード:
ニューモシスチス肺炎
,
PCP
,
non-HIV PCP
Keyword:
ニューモシスチス肺炎
,
PCP
,
non-HIV PCP
pp.549-552
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001092
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1 病因・病態
ニューモシスチス肺炎(pneumocystis jirovecii neumonia:PCP)はHIV(human immunodeficiency virus)感染,免疫抑制薬内服や悪性腫瘍など免疫抑制下に発症する日和見感染症の1つで,呼吸不全など重篤な症状を示す致死的疾患である。Pneumocystis jiroveciiはかつて原虫とみなされてきたが,近年遺伝子配列の検索などを通して真菌に分類されている。現在まで人工培養法が確立されておらず,菌の生息場所や感染経路,病原性のメカニズムなどいまだ不明な点は多い。4歳までの小児の75%で抗体価が上昇している報告がある1)ことから,以前は小児期の既往感染後に慢性保菌状態となり免疫抑制下の再活性化でPCPが発症すると考えられていたが,現在では遺伝子型の異なるP. jiroveciiに再感染することにより発症すると考えられ2),発症者や無症状保菌者からの飛沫感染や空気感染といったヒト-ヒト感染が原因であるとされている3)。
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