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特集 小児臨床検査2024
XIII.感染症検査
5.真菌・リッチケア 2)真菌感染症(ニューモシスチス・イロベチ感染症)
Pneumocystis pneumonia
照屋 勝治
1
Katsuji Teruya
1
1国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター
キーワード:
ニューモシスチス肺炎
,
β-Dグルカン
,
血清クリプトコックス抗原
Keyword:
ニューモシスチス肺炎
,
β-Dグルカン
,
血清クリプトコックス抗原
pp.650-652
発行日 2024年10月25日
Published Date 2024/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002029
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はじめに
ニューモシスチス・イロベチ(Pneumocystis jirovecii:P. jirovecii)はかつてPneumocystis cariniiとよばれ,カリニ肺炎(Pneumocystis carinii pneumonia:PCP)の病原体として以前より知られていたが,その後の遺伝子解析により宿主特異性の非常に高い多数の菌種が存在することが明らかになったため,ヒトへの感染種についてまずP. jiroveciへの名称変更が行われ1),その後に本病原体が原虫ではなく真菌であることが判明したため,種命名法のルールによりP. jirovecii(最後の“i”が2個)へ名称が変更された2)。この名称変更に伴い,カリニ肺炎という病名も「ニューモシスチス肺炎」と呼称が変更されることとなったが,英語での病名表記をPneumocystis pneumoniaとすることで,PCPの略号については従来通り使用し続けることになっている1)。しかしながら,現時点でもP. jirovecii pneumonia(PJP)やPcPと記載されている論文はいまだに散見されており,病原体名および疾患名の表記にはまだ若干の混乱がみられているのが実情である。P. jiroveciiの日本語(カタカナ)表記については,日本医真菌学会より表記法の提案がなされている3)。
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