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English
特集 病因・病態生理から読み解く腎・泌尿器疾患のすべて
Ⅲ.尿細管・間質性・囊胞性疾患
13.Lowe症候群
Lowe syndrome
安藤 太郎
1
,
三浦 健一郎
1
,
服部 元史
1
Ando Taro
1
,
Miura Kenichiro
1
,
Hattori Motoshi
1
1東京女子医科大学 腎臓小児科
キーワード:
Lowe症候群
,
尿細管性蛋白尿
,
Fanconi(ファンコニー)症候群
,
先天性白内障
,
精神運動発達遅滞
Keyword:
Lowe症候群
,
尿細管性蛋白尿
,
Fanconi(ファンコニー)症候群
,
先天性白内障
,
精神運動発達遅滞
pp.162-164
発行日 2023年12月15日
Published Date 2023/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001017
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1 病因・病態
Lowe症候群(OMIM 309000)は別名,眼・脳・腎症候群(oculocerebrorenal syndrome of Lowe:OCRL)ともよばれ,眼症状,中枢神経症状,腎症状を3主徴とする伴性潜性(劣性)遺伝性疾患である。1952年にLoweらにより初めて報告され1),OCRL遺伝子がその原因遺伝子として同定されている2)。OCRL遺伝子はOCRL-1(inositol polyphosphate 5-phosphatase)をコードする。OCRL-1はイノシトールリン脂質を脱リン酸化する酵素活性をもちエンドサイトーシス,細胞分裂,繊毛の機能,細胞の遊走,細胞骨格のリモデリング,膜輸送,シグナル伝達など,さまざまな細胞機能に関与している3)。それらの異常により,Fanconi(ファンコニー)症候群をはじめ眼症状や中枢神経症状といった多臓器にわたる障害をきたす。
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