特集 ズバッと答える臨床知識 学生・患者に説明できますか?
身体所見・検査の疑問
尿蛋白ってどんな蛋白?
横井 徹
1
1横井内科医院
キーワード:
糸球体チャージバリア・サイズバリア
,
糸球体性蛋白尿
,
尿細管性蛋白尿
,
蛋白定量クレアチニン補正
Keyword:
糸球体チャージバリア・サイズバリア
,
糸球体性蛋白尿
,
尿細管性蛋白尿
,
蛋白定量クレアチニン補正
pp.892-894
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100449
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尿蛋白の産生部位
尿中には通常でも1日30~80mgの蛋白質が排泄されるが,これは試験紙法では検出できないほど微量である.尿の流れを川にたとえると「源流」は糸球体である(図1).血漿成分の一部が毛細血管からボウマン腔(尿腔)へ水分とともに移動することで始まる.「河口」にあたるのは尿道口だが尿管以下尿道口まではほぼ単なる「通路」にすぎず,さまざまな物質の排泄と再吸収が行われるのは糸球体から腎盂に至る,わずかな距離のみである.排泄・再吸収の場所は大きく糸球体と尿細管の2つのパーツに分けられ,その障害部位によって排泄される尿蛋白(J1)の「質」が異なる.
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