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特集 高血圧の病態と管理の最前線
トピックス
クリニカルイナーシャへの対応
Addressing clinical inertia
長谷部 直幸
1,2
HASEBE Naoyuki
1,2
1旭川医科大学
2江別市立病院
キーワード:
高血圧パラドックス
,
クリニカルイナーシャ
,
知らんぷり高血圧
Keyword:
高血圧パラドックス
,
クリニカルイナーシャ
,
知らんぷり高血圧
pp.250-253
発行日 2023年8月25日
Published Date 2023/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000855
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はじめに
クリニカルイナーシャ(clinical inertia)の概念は,高血圧パラドックスの背景要因として高血圧臨床の現場で共感をもって受け入れられている。元来イナーシャには二面性がある。不十分・不安定な状態における惰性・慣性は負の要素として理解されるが,十分安定した状態における惰性・慣性は好ましい状態を維持するための基本でもある。しかし,臨床では “現状変更の積極的な努力を怠る” あるいは “放棄” する意味で “惰性・慣性” が用いられる場合がほとんどであり,クリニカルイナーシャは負の概念と理解されている。本稿では,クリニカルイナーシャについて概説し,その対応を考えたい。
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