特集 高血圧診療Update―「高血圧治療ガイドライン2019」で何が変わるのか?
トピックス
臨床イナーシャ(clinical inertia)
柳澤 紀子
1
,
宮崎 真理子
2
1佐久医療センター腎臓内科
2東北大学大学院医学系研究科腎・高血圧・内分泌学分野
キーワード:
臨床イナーシャ
,
治療イナーシャ
,
診断イナーシャ
,
チーム医療
Keyword:
臨床イナーシャ
,
治療イナーシャ
,
診断イナーシャ
,
チーム医療
pp.289-291
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_289
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Summary
▪イナーシャとは,「惰性」を意味する.
▪高血圧診療において臨床イナーシャを放置することは,心血管疾患や脳卒中などの発症・進行に悪影響を及ぼす.
▪臨床イナーシャは,治療イナーシャと,治療抵抗性を示した際の診断イナーシャに分けられる.
▪多職種が関わりチーム医療を行うことでイナーシャを予防し,継続的に目標血圧を維持することが患者個人においても社会資源的にも重要である.
▪ポピュレーション戦略やハイリスク戦略を各所で連携して実行することが肝要であり,国や地域・行政・医療といったあらゆる分野での対策が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020