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特集 CKD・透析・移植患者の末梢動脈疾患治療の進歩
各論
治療 末梢動脈血管石灰化進展抑制(CKD-MBDや微量元素)
Therapeutic strategy for peripheral arterial calcification among patients with CKD
坂口 悠介
1
SAKAGUCHI Yusuke
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
キーワード:
末梢動脈疾患
,
下肢閉塞性動脈疾患
,
血管石灰化
Keyword:
末梢動脈疾患
,
下肢閉塞性動脈疾患
,
血管石灰化
pp.62-66
発行日 2023年7月25日
Published Date 2023/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000814
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Ⅰ 慢性腎臓病・透析患者の末梢動脈疾患と血管石灰化
末梢動脈疾患(peripheral arterial disease:PAD)は全世界で2億人以上が罹患しており1),慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)・透析はその危険因子として重要である2)。PADの新規発症について解析した21件のコホート研究のメタ解析(n=817,084)によれば,推算糸球体濾過量(estimated glemerular filtration rate:eGFR)が60mL/min/1.73m2以下でリスクは上昇し,eGFR 95mL/min/1.73m2と比較した場合,45mL/min/1.73m2で1.22倍,30mL/min/1.73m2で1.68倍,15mL/min/1.73m2で2.06倍の発症リスクであった3)。また,アルブミン尿もPAD新規発症の鋭敏な予測因子であり,微量アルブミン尿以下(~10mg/gCre)でもすでに新規発症リスクは有意に上昇している3)。さらに,わが国の包括的高度慢性下肢虚血(chronic limb-threatening ischemia:CLTI)の症例の約50%が透析患者であるとする報告もある4)。
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