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特集 高齢化社会の腎泌尿器疾患診療UpToDate
各論―認知症
わが国における透析患者の認知症
Dementia in dialysis patients in Japan
日髙 寿美
1
,
小林 修三
1
HIDAKA Sumi
1
,
KOBAYASHI Shuzo
1
1湘南鎌倉総合病院腎臓病総合医療センター
キーワード:
modified mini-mental status examination(3MS)
,
軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)
,
サルコペニア
,
Montreal cognitive assessment(MoCA)
,
自己抜針
Keyword:
modified mini-mental status examination(3MS)
,
軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)
,
サルコペニア
,
Montreal cognitive assessment(MoCA)
,
自己抜針
pp.805-810
発行日 2023年5月25日
Published Date 2023/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000739
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はじめに
日本透析医学会が毎年行っている慢性透析患者に関する集計のなかで,認知症の有無を調査した最新のデータは,「わが国の慢性透析療法の現況(2018年12月31日現在)」に記載されている1)。それによると,わが国の透析患者の認知症合併割合は,回答のあった250,042人中26,887人の10.8%であった。年齢別・性別で分けると図1に示すように,どの年代でも男性より女性で認知症合併患者割合が高かった。また,年齢別にみると,75歳以上で男性19.4%,女性27.7%,全体で24.3%と,75歳以上の透析患者の約4人に1人に認知症がみられることになる。この集計で認知症の合併の有無を評価しているのは,透析で診療している医師や透析スタッフであるため,認知機能検査に基づいた厳密な診断とはいえないが,透析患者の高齢化が顕著である現在,透析の現場では認知症合併患者の治療は多くの問題を抱えている。
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