研究
透析患者体水分量と生命予後 多周波数生体インピーダンス法による評価
猪岡 英二
1
,
金野 孝彦
,
神保 雅幸
,
金沢 雅之
,
戸恒 和人
,
竹内 和久
,
関野 慎
1宏人会中央クリニック
キーワード:
血液透析
,
細胞外液
,
腎不全-慢性
,
体内水分
,
インピーダンス
,
年齢因子
,
比例ハザードモデル
,
Brain Natriuretic Peptide
,
Kaplan-Meier法
,
Human Serum Albumin
,
ドライウェイト
Keyword:
Body Water
,
Renal Dialysis
,
Kidney Failure, Chronic
,
Proportional Hazards Models
,
Electric Impedance
,
Natriuretic Peptide, Brain
,
Serum Albumin, Human
,
Age Factors
,
Extracellular Fluid
,
Kaplan-Meier Estimate
pp.313-318
発行日 2021年8月25日
Published Date 2021/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00714.2021354588
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多周波数生体インピーダンス(BIA)測定装置MLT-550Nによる体水分量評価を試み、生命予後との関連について検討した。当院で維持透析を実施し、BIAの適応基準を満たす451例(男性309例、女性142例、平均63.9歳)を対象とした。透析前後にBIAを測定し、細胞外水分量/総体水分量比(E/T)を用いた。透析前後のE/T-pre、-postをもとに、透析前後とも生理的範囲(42~28%)またはそれ以下にある生理的群135例、透析前42%以上、透析後生理的範囲にある前過剰群218例、透析前後とも42%以上の過剰群98例に分類した。観察期間は平均3.09年で、死亡例は90例、男性65例、女性25例であった。Kaplan-Meier生存曲線の解析では各群間に有意差がみられ、生理的群が最も高い生存率を示し、次いで前過剰群、過剰群と低下し、Cox比例ハザード回帰によるハザード比は生理的群に比較して前過剰群2.67、過剰群5.65と有意に高かった。多変量解析で最終的に有意差をみた生命予後因子はE/T-pre、年齢、血清アルブミン濃度および血清BNP-postであった。
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