Japanese
English
特集 Genetics in CKD
疾患編
腎臓の遺伝性腫瘍とがんゲノム診断
Molecular basis of hereditary kidney cancer
蓮見 壽史
1
,
浜之上 はるか
2
HASUMI Hisashi
1
,
HAMANOUE Haruka
2
1横浜市立大学医学部医学科泌尿器科学
2横浜市立大学附属病院遺伝子診療科
キーワード:
von Hippel-Lindau(VHL)病
,
Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群
,
遺伝性平滑筋腫腎細胞癌症候群(HLRCC)
,
遺伝性乳頭状腎細胞癌(HPRC)
Keyword:
von Hippel-Lindau(VHL)病
,
Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群
,
遺伝性平滑筋腫腎細胞癌症候群(HLRCC)
,
遺伝性乳頭状腎細胞癌(HPRC)
pp.449-455
発行日 2023年3月25日
Published Date 2023/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000663
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はじめに
腎癌全体の5%を占める遺伝性腎癌の研究は,腎腫瘍化機構解明および腎癌治療薬開発の突破口となってきた。1980年代後半から米国国立衛生研究所ではじまった遺伝性腎癌の大規模家系解析などから,現在までに13種類以上の遺伝性腎癌およびそれぞれに対応する原因遺伝子が報告されているが,興味深いことにほとんどすべての原因遺伝子は代謝またはエピゲノムに関連する遺伝子であることがわかっている(図)。これは,腎臓細胞が水や電解質などの再吸収に大量のエネルギーを必要とし,細胞内のエネルギー状態感知とエピゲノムによるエネルギー状態の補正が腎臓細胞の恒常性維持に重要であることを示唆している。
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