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特集 腎性貧血:HIF-PH阻害薬への期待と課題
【各論】
HIF-PH阻害薬使用時の注意点 血栓塞栓症
Thromboembolism as a complication of treatment with HIF-PH inhibitors
鶴屋 和彦
1
TSURUYA Kazuhiko
1
1奈良県立医科大学 腎臓内科学
キーワード:
鉄欠乏
,
トランスフェリン
,
バスキュラーアクセス閉塞
,
深部静脈血栓症
,
心血管イベント
Keyword:
鉄欠乏
,
トランスフェリン
,
バスキュラーアクセス閉塞
,
深部静脈血栓症
,
心血管イベント
pp.246-252
発行日 2022年8月25日
Published Date 2022/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000268
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はじめに
低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬はこれまでにロキサデュスタット(Rox),ダプロデュスタット(Dap),バダデュスタット(Vad),エナロデュスタット(Ena),モリデュスタット(Mol)の5剤がわが国で承認・販売されているが,最初に承認申請されたRoxの治験データ1)において,赤血球造血刺激因子製剤(ESA)治療群と比べてRox群で脳梗塞,シャント閉塞,深部静脈血栓症などの血栓塞栓症関連事象の発現割合が高かったことから,「本剤投与中に,脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ,死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に,脳梗塞,心筋梗塞,肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で,本剤の投与の可否を慎重に判断すること」という警告文が添付文書に附記された。その後に承認された4剤でも,同種同効薬という理由で,すべての薬剤の添付文書にこの警告は附記されている。
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