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特集 予防医学からみた腎疾患診療
【CKDの発症・進展と合併症のリスクとされるエビデンス】
肥満 アディポサイトカイン調節機構と腎障害
Contribution of adipocytokine dysregulation to chronic kidney disease
大橋 浩二
1
,
室原 豊明
1
OHASHI Koji
1
,
MUROHARA Toyoaki
1
1名古屋大学大学院医学系研究科 循環器内科
キーワード:
アディポサイトカイン
,
レプチン
,
アディポネクチン
,
慢性腎臓病
Keyword:
アディポサイトカイン
,
レプチン
,
アディポネクチン
,
慢性腎臓病
pp.843-846
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000169
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はじめに
肥満は慢性腎臓病の独立した危険因子であることが報告されており,2型糖尿病,高血圧のない集団のうち若年肥満を有する群は,有しない群と比較して3倍もの慢性腎臓病発症率であることが報告されている1)。近年,脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵臓器ではなく,アディポサイトカインと総称されるさまざまな生理活性物質を分泌することが報告されている。これらのうち,レプチンやレジスチンは肥満によってその発現が上昇するアディポサイトカインであり,炎症惹起性で慢性腎臓病を促進することが報告されている。一方,肥満によってその発現が低下する抗炎症性のアディポネクチンやバスピンが慢性腎臓病に防御的に作用することも報告されている。
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