Japanese
English
特集 予防医学からみた腎疾患診療
【CKDの発症・進展と合併症のリスクとされるエビデンス】
肥満 腎血行動態・形態学的変化と腎障害
Renal hemodynamic/morphological changes and injuries
坪井 伸夫
1
,
岡林 佑典
1
TSUBOI Nobuo
1
,
OKABAYASHI Yusuke
1
1東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科
キーワード:
BMI
,
肥満関連糸球体症
,
糸球体過剰濾過
,
ネフロン
,
ポドサイト
Keyword:
BMI
,
肥満関連糸球体症
,
糸球体過剰濾過
,
ネフロン
,
ポドサイト
pp.838-842
発行日 2022年5月25日
Published Date 2022/5/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000168
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はじめに
肥満は慢性腎臓病(CKD)の進行リスクである。一方で,ほかの腎疾患やCKDリスク因子とは独立して肥満に続発し,蛋白尿と緩徐進行性の腎機能障害を特徴とする病態を包括した疾患概念として肥満関連腎臓病が知られる。このうち,高度蛋白尿を呈し病理組織学的に肥満関連糸球体症(obesity-related glomerulopathy:ORG)と診断されるのは氷山の一角と考えられ,ORG予備軍として本疾患カテゴリーに含まれる潜在患者数は計り知れない。肥満関連腎臓病の病態は,肥満による代謝需要の増加に対する腎機能代償が代償不全に移行する過程と理解され,適正な体重管理によって顕性化する以前の発症予防が可能である。
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