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特集 メタボリックシンドロームと循環器疾患
アディポサイトカインからみたメタボリックシンドローム
Metabolic Syndrome from the View of Adipokines
前田 和久
1
,
下村 伊一郎
1
Kazuhisa Maeda
1
,
Iichiro Shimomura
1
1大阪大学大学院医学系研究科内分泌代謝内科学
1Department of Metabolic Medicine, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.963-968
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100880
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メタボリックシンドロームは耐糖能異常,高脂血症,高血圧が個々人に合併する心血管病の易発症状態と定義され,高コレステロール血症に対する対策と同様に,今後の動脈硬化性疾患予防の重要なターゲットになると考えられている.そしてその必須項目にあるのがウェスト周囲径,すなわち腹部肥満である.WHOやIDFをはじめ世界中でこのウェスト周囲径がメタボリックシンドロームの必須診断項目に取り入れられているが,1980年代よりわれわれが提唱してきた「内臓脂肪症候群」(図1)こそが,メタボリックシンドロームの上流の基盤病態として,肥満のなかでも重要であることを提唱したものである.ようやくこのコンセプトが世界中で認められたといっても過言ではない.
では,こうして明らかにされてきた内臓脂肪は種々の病態へどう関わるのか.本稿では現在までに明らかにされているアディポサイエンスの中核を担う因子と疾患との関わり合いについて総括したい.
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