Japanese
English
特集 胆膵内視鏡処置具ガイド2025
[ERCP]
金属ステント
Metallic stent
藤澤 聡郎
1
,
生駒 一平
1
,
神保 泰久
1
,
池村 宗朗
1
,
高橋 翔
1
,
高崎 祐介
1
,
伊藤 光一
1
,
冨嶋 享
1
,
伊佐山 浩通
1
Toshio Fujisawa
1
,
Ippei Ikoma
1
,
Yasuhisa Jimbo
1
,
Muneo Ikemura
1
,
Sho Takahashi
1
,
Yusuke Takasaki
1
,
Koichi Ito
1
,
Ko Tomishima
1
,
Hiroyuki Isayama
1
1順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学講座
キーワード:
編み込みステント
,
レーザーカットステント
,
axial force
Keyword:
編み込みステント
,
レーザーカットステント
,
axial force
pp.1251-1257
発行日 2025年10月25日
Published Date 2025/10/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002251
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
胆膵内視鏡処置における金属ステントはおもに悪性胆道狭窄のドレナージ目的に使用される。プラスチックステントと比較してステントの内腔が広く開存期間が長いが,永久留置が基本であり,ステントが閉塞した場合にステントの抜去・交換は難しいことが多い。金属ステントはその作成方法によって編み込みステントとレーザーカットステントの大きく2種類に分けられ,それぞれ特性が異なるため使用方法と留置方法に違いがある。またそれぞれのステントに,金属ステントの周囲に膜を張り開存期間を向上させたフルカバードステントと膜がないアンカバードステント,部分的に膜が張られているパーシャルカバードステントの3種類がある。カバードステントは膜によってステント内への腫瘍の浸潤が防がれるため開存期間が比較的長いが,狭窄が弱い場合にはステントが脱落してしまう可能性が高い。またフルカバードステントでは短期間の留置でステントが損傷していない場合にプラスチックステントと同様に留置されているステントを抜去して新しいステントに入れ替えることも可能である。他にもステントを通じた食物の胆管内への逆流を抑制する目的で逆流防止弁のついたダックビルステントやカバーにわざと小さな穴をあけることによりカバードステントとアンカバードステントのいいとこ取りを目指したマルチホールステントなど,個々のコンセプトを具現化した個性的なステントも登場している。本稿ではまず金属ステントの特性の評価法を紹介したあと,現在使われているおもな金属ステントを編み込みステントとレーザーカットステントに分けて,表と図を用いて解説する。

© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.