特集 胆道感染症の診断・治療
5.急性胆管炎・胆囊炎に対する抗菌薬選択
藤澤 聡郎
1
,
高橋 翔
1
,
高崎 祐介
1
,
鈴木 彬実
1
,
伊藤 光一
1
,
冨嶋 亨
1
,
石井 重登
1
,
伊佐山 浩通
1
1順天堂大学医学部附属順天堂医院消化器内科
キーワード:
Tokyo Guidelines 2018(TG18)
,
薬剤耐性菌
,
アンチバイオグラム
,
ESBL産生菌
,
保険適用
Keyword:
Tokyo Guidelines 2018(TG18)
,
薬剤耐性菌
,
アンチバイオグラム
,
ESBL産生菌
,
保険適用
pp.1145-1151
発行日 2021年7月20日
Published Date 2021/7/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001907
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急性胆管炎・胆囊炎の抗菌薬治療には他部位の感染症と同様に起因菌の同定が必須である.大腸菌,クレブシエラ,腸球菌(Enterococcus)類がおもな起因菌として同定されており,約半数の胆道感染症に関連している.院内発症例では緑膿菌やブドウ球菌が起因菌となる確率が増えるため注意が必要である.以上を踏まえて,軽症にはユナシン®—Sを,中等症以上と医療関連にはゾシン®を,ペニシリンアレルギー例にはシプロキサン®を推奨する.胆管空腸吻合術後など嫌気性菌の関与を疑う場合はアネメトロ®を併用し,腸球菌に対してはバンコマイシンの併用も考慮する.近年は抗菌薬耐性菌が増加しており,治療の際には病院におけるアンチバイオグラムを考慮する必要がある.
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