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特集 消化管内視鏡処置具の使い分け2025
[ESDで使用する処置具]
トラクションデバイス
Traction devices
樺 俊介
1
,
炭山 和毅
1
Shunsuke Kamba
1
,
Kazuki Sumiyama
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡医学講座
キーワード:
ESD
,
トラクション法
,
トラクションデバイス
Keyword:
ESD
,
トラクション法
,
トラクションデバイス
pp.1167-1172
発行日 2025年9月25日
Published Date 2025/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002220
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はじめに
現在主流となっているトラクション法は,大きく二つに分類される。一つは管腔外牽引法であり,糸付きクリップや,スネア,把持鉗子を用いた手法が代表的である。もう一つは,病変と対側壁をデバイスで橋渡しするようにクリップで固定し,送気により牽引力を発生させる管腔内牽引法である。両者にはそれぞれ利点と限界があり,術者の経験や病変の部位・臓器特性に応じた選択が求められる。従来,トラクション法は困難病変や剝離停滞時の「救済手段」として用いられることが多かったが,近年は多様な専用デバイスが市販され,トラクション法を計画的かつ治療序盤から導入することが容易となった。あらかじめ設置位置や牽引方向,タイミングを想定したうえで施行することで,その効果は最大化されやすい。本稿では,現在主流となっている管腔外および管腔内牽引法の概要と,それぞれに対応した代表的トラクションデバイスについて,症例動画を交えて紹介し,適切な使用方法および留意点を解説する。

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