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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅵ.胆膵
乳頭は発見できれば99.9%で挿管可能
If the papilla is identified, cannulation is successful in 99.9% of cases
南 裕人
1
,
向井 俊太郎
1
,
糸井 隆夫
1
Hirohito Minami
1
1東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野
pp.610-611
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000002040
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解説
胆道疾患の診断と治療において,ERCPは習得すべき手技の一つであるが,通常解剖の症例であっても,経乳頭的な胆管アプローチが困難な症例,いわゆる胆管挿管困難例が少なからず存在する。そのような胆管挿管困難例に対して,近年EUSガイド下胆道ドレナージ(EUS-guided biliary drainage:EUS-BD)が代替法として広く行われるようになり,さらには経消化管的に胆管を穿刺したあとに経乳頭的アプローチへ移行するEUS-guided rendezvous techniqueも行われるようになった。このように,経乳頭的な胆管挿管が困難な症例に対しても,EUSガイド下で胆道疾患の診断と治療を行うことが可能となったが,引き続く処置に使用するデバイスやドレナージ方法の選択肢,さらには処置の難易度や偶発症の発生頻度を考慮すると,経乳頭的なアプローチが可能であれば,ERCPによる診断と治療が望ましいことは明らかである。通常解剖例でスコープが乳頭まで到達し,乳頭を発見することができれば,さまざまな胆管挿管テクニックやデバイスを駆使して99.9%の胆管挿管成功率を目指すべきである。今回,胆管挿管成功率を向上させる方法論について概説する。
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