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特集 消化器内視鏡寸言集2025
Ⅲ.胃・十二指腸
過送気による嘔吐反射に気をつけろ!
Watch out for gap reflex caused by overinsufflation
竹内 弘久
1
,
大木 亜津子
1
,
阿部 展次
1
Hirohisa Takeuchi
1
1杏林大学医学部消化器・一般外科
pp.516-517
発行日 2025年4月25日
Published Date 2025/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001989
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解説
上部消化管内視鏡検査や内視鏡治療において,観察に夢中になることや,手技に没頭することで,知らず知らずのうちに送気ボタンを押し続けて,胃が膨らみ,嘔吐反射を起こすことがある。送気で胃がパンパン(過送気による胃拡張)な状態で,強い嘔吐反射を誘発すれば,胃内圧が上昇時に,急激な腹腔内圧上昇が加わることになり,裂創(いわゆるMallory-Weiss tear)を引き起こす危険性がある。さらに,粘膜破綻時に過送気による嘔吐反射が起これば,Mallory-Weiss tearよりはるかに重篤な致死的偶発症につながる可能性がある。本稿では,送気や嘔吐反射で最も多く認められるMallory-Weiss tearについて述べ,筆者が経験した空気塞栓症例を教訓として供覧し,「過送気による嘔吐反射の危険性」について伝えたい。
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