新しい機器の紹介
気送管搬送の血液検体に及ぼす影響
新谷 和夫
1
,
菅沼 清
1
1関東逓信病院血液学検査科
pp.406-408
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908942
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はじめに
国内の病院における中央検査室制度は戦後著しく発達したが,検体の運搬をいかに円滑にするかという問題が大きな艦路となっている.通常一定時間に検体を集めるとか,病室外来の看護婦によって屈けるなどの処置がとられてきたが,人力に頼るかぎり人手不足の現在,とても問題解決は期待できそうもない.殊に前者のような場合は至急検体の搬送に関して問題が絶えない.そこで機械力に頼るとすればベルトコンベアーと気送管の2つが考えられる.ベルトコンベアーは一部実用化され成果を上げているが立体的動きに弱い.気送管は立体的にも動けるという利点はあるが,搬送中のショックが大きく溶血を起こすので検体運搬には不適当1,2)とされてきた.ところがPragayら3)は新しい気送管システムを用いた実験で,主として生化学的検査項目について検討し,血液検体の気送管による搬送が可能になったことを報告した.事実新しい搬送システムを組み込んだ病院が稼動に入っているとのことで,これは今後の中央検査室制度の運営上有効な手段を提供するものとして注目されるところである.我々は最近機会を得て血液学的検査の観点から検討を加えたのでその結果を報告する.
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