特別記事
ハゲタカジャーナルに気をつけろ!?
西垣 昌和
1
1京都大学大学院医学研究科臨床看護学講座
pp.140-148
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681201616
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憂鬱な日課—迷惑メールチェック
1日の始まりは,昨日の仕事終わり後に来たメールのチェックと返信から,を日課にしている人は多いだろう。メールによるコミュニケーションは,年々その量を増すばかりで,ただでさえその日課をこなすのが大変だという読者もいるだろう。昨今では,これに加えてさらに憂鬱な日課が待っている。「迷惑メールフォルダチェック」である。
電子メーラーの多くは,なんらかの学習アルゴリズムで迷惑メールを判別し,自動で迷惑メールフォルダに放り込んでくれる。しかし,メーラーも完ぺきではないので,時折本当に大切なメールも間違って迷惑メールとして扱われてしまうことがある。そこで,「迷惑メールフォルダチェック」が必要になる。迷惑メールフォルダをのぞいてみると“Call for manuscript”だの“Invitation to submit……”だの,中にはメールをした覚えもないのに“Re: article submission”だの,さまざまな英語の件名がずらりと並ぶ。日に日にその数は増し,憂鬱な作業が長くなるだけで十分有害であるのだが,これらのメールの送り主であるいわゆる「ハゲタカ出版社」の有害さはそれにとどまらず,アカデミアの根源を揺るがしかねない害を有している。
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