Japanese
English
特集 胆管カニュレーション―基本から困難症例まで―
[解剖学的困難症例への対処]
術後再建腸管症例に対する胆管カニュレーション―シングルバルーン内視鏡による胆管カニュレーション―
Biliary cannulation using a single-balloon endoscope
谷坂 優樹
1
,
良沢 昭銘
1
,
水出 雅文
1
,
藤田 曜
1
,
地主 龍平
1
Yuki Tanisaka
1
,
Shomei Ryozawa
1
,
Masafumi Mizuide
1
,
Akashi Fujita
1
,
Ryuhei Jinushi
1
1埼玉医科大学国際医療センター消化器内科
キーワード:
術後再建腸管
,
バルーン内視鏡
,
シングルバルーン内視鏡
,
胆管カニュレーション
,
Retroflex position
,
TXI
Keyword:
術後再建腸管
,
バルーン内視鏡
,
シングルバルーン内視鏡
,
胆管カニュレーション
,
Retroflex position
,
TXI
pp.1314-1318
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001587
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はじめに
術後再建腸管症例(Billroth-Ⅱ法,Roux-en-Y, 膵頭十二指腸切除後再建腸管)に対するERCP関連手技は困難とされてきたが,シングルバルーン内視鏡(single balloon enteroscopy:SBE),ダブルバルーン内視鏡(double balloon enteroscopy:DBE)を用いたERCP関連手技の有用性が報告されてきた1, 2)。さらに,これらのバルーン内視鏡に有効長150cmほどで, 鉗子口径3.2mmを有するショートタイプのもの(図1)が開発され,通常のERCPで用いる処置具の大部分が使用可能となり(表),その有用性が報告されている3, 4)。しかしながら,術後再建腸管症例の乳頭は,しばしば接線方向に位置し,かつスコープに鉗子起上もなく,カニュレーションに難渋することが多く,依然手技完遂は容易ではない。本稿では,術後再建腸管症例の初回乳頭(Billroth-Ⅱ法,胃切除後Roux-en-Y)に対する,SBEによる胆管カニュレーションの実際や難渋例克服のためのTipsにつき概説する。
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