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特集 症例から学ぶ咽頭・食道ESD
咽頭表在癌のESD/ELPS
咽頭癌のESD/ELPS,剝離する層が決められない
What should we do when an appropriate dissection plane cannot be determined in ESD/ELPS for hypopharyngeal cancer?
佐々木 文郷
1
Fumisato Sasaki
1
1鹿児島大学大学院消化器疾患・生活習慣病学
キーワード:
咽頭癌
,
ESD
,
剥離層
Keyword:
咽頭癌
,
ESD
,
剥離層
pp.1132-1139
発行日 2024年8月25日
Published Date 2024/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001550
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はじめに
咽頭癌,特にESDや内視鏡的咽喉頭手術(endoscopic laryngopharyngeal surgery:ELPS)が検討される咽頭表在癌は,narrow band imaging(NBI)やblue LASER (light) imaging(BLI)を代表とする画像強調内視鏡(image enhanced endoscopy:IEE)の普及とともに発見される機会が増加している。早期発見された咽頭癌に対するESD/ELPSは,臓器温存やQOLの観点から,外科手術や放射線化学療法と比較して低侵襲な治療であり,普及しつつある。現在,咽頭癌領域では頭頸部癌診療ガイドライン2022年版1)にリンパ節転移陽性でもT1-T2では経口的切除術も治療法の一つと記載されているため,病変そのものの内視鏡診断のみならず,頭頸部外科,食道外科,放射線科を交え総合的な判断が必要である。また,実際にESD/ELPSを行う際は,詳細な病理評価が可能な検体を一括で行うことが重要である。しかし,実際に切除するときに適切な剝離層に迷う場面も少なくない。本稿では,ESD/ELPSを行う際に,適切な剝離を行うためのストラテジーやシチュエーション別の攻略法について概説する。
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