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特集 内科と外科のコラボレーション手術の今
[咽頭・食道領域におけるコラボレーション手術]
咽頭腫瘍に対するELPS
Endoscopic laryngo-pharyngeal surgery for superficial laryngopharyngeal carcinoma
山口 隼
1
,
香川 泰之
1
,
佐藤 宏樹
2
,
福澤 誠克
1
,
塚原 清彰
2
,
河合 隆
3
,
糸井 隆夫
1
Hayato Yamaguchi
1
,
Yasuyuki Kagawa
1
,
Hiroki Sato
2
,
Masakatsu Fukuzawa
1
,
Kiyoaki Tsukahara
2
,
Takashi Kawai
3
,
Takao Itoi
1
1東京医科大学消化器内科学分野
2東京医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野
3東京医科大学消化器内視鏡学分野
キーワード:
咽頭癌
,
ELPS
,
ESD
Keyword:
咽頭癌
,
ELPS
,
ESD
pp.1523-1528
発行日 2023年11月25日
Published Date 2023/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001107
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はじめに
消化管領域では内科と外科が協力して治療を行う機会が増えつつあるが1),頭頸部癌も例外ではなく,内視鏡的咽喉頭手術(endoscopic laryngo-pharyngeal surgery:ELPS)をはじめとした頭頸部外科と内視鏡医によるコラボレーション治療は,咽頭癌に対する臓器機能温存に特化した低侵襲治療として各施設で導入されている2)。咽頭表在癌の低侵襲治療である経口的切除手術は,直達喉頭鏡を用いた術式と佐藤式彎曲型喉頭鏡を用いた術式に分別される。前者には頭頸部外主体によるtransoral laser microsurgery(TLM),transoral video laryngoscopic surgery(TOVS),transoral robotic surgery(TORS)がある。後者は消化器内視鏡医が行っているEMR,ESDがあげられるが,なかでも消化器内視鏡医と頭頸部外科医との共同で行うELPSは従来の手術に比べ,臓器温存が可能なこと,術後のQOLが高いことが利点にあげられる3, 4)。ELPSの特徴は,彎曲型喉頭鏡にて喉頭展開をして経口的に鉗子や電気メスを挿入し,内視鏡補助下にて上皮下層剝離可能である点である5)。本稿では,咽頭腫瘍に対するELPSについて消化器内視鏡医の視点で述べる。
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