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特集 消化管粘膜下腫瘍のすべて
[大腸]
大腸粘膜下腫瘍の外科治療―直腸NETを中心に―
Surgical treatment for colorectal submucosal tumors―Focus on rectal neuroendocrine tumor(NET)―
石井 雅之
1
,
奥谷 浩一
1
,
秋月 恵美
1
,
野田 愛
1
,
三代 雅明
1
,
三浦 亮
1
,
市原 もも子
1
,
豊田 真帆
1
,
竹政 伊知朗
1
Masayuki Ishii
1
,
Koichi Okuya
1
,
Emi Akizuki
1
,
Ai Noda
1
,
Masaaki Miyo
1
,
Ryo Miura
1
,
Momoko Ichihara
1
,
Maho Toyota
1
,
Ichiro Takemasa
1
1札幌医科大学消化器・総合,乳腺・内分泌外科
キーワード:
直腸NET
,
ロボット手術
,
局所切除
Keyword:
直腸NET
,
ロボット手術
,
局所切除
pp.1071-1075
発行日 2024年7月25日
Published Date 2024/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001529
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はじめに
消化器に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms:NEN)は,年間人口10万人に3~5人の新規患者が発生する比較的稀な腫瘍である。発生部位は消化管が最も多く,本邦では直腸に好発する1)。第91回大腸癌研究会の全国アンケート調査での387例の解析では Rb 334例,Ra 43例,RS5例,結腸5例で,98.7%が直腸に発生しており,なかでも下部直腸が86.3%と最も多かった。大腸neuroendocrine tumor(NET)に対する手術については,大腸癌に準じた方法が選択されることが多いが,大腸癌に比べ,発生頻度が低く,データの集積が不十分で,治療選択基準については意見が分かれる。大腸NETは大腸癌と比べると腫瘍径が小さいにもかかわらず,リンパ節転移の頻度が高い特徴があり,かつ,直腸下部に発生することが多いため,局所切除か,リンパ節郭清を含めた系統的な腸管切除が必要なのか術式の選択に苦慮することが多い。
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