特集 膵癌の早期診断 ―診療ガイドラインの改訂を踏まえて
3.膵癌早期診断のアルゴリズム ― 「膵癌診療ガイドライン」2022を踏まえて
蘆田 玲子
1
,
江守 智哉
2
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学内科学第二講座
2和歌山労災病院消化器内科
キーワード:
膵癌
,
早期診断
,
ガイドライン
Keyword:
膵癌
,
早期診断
,
ガイドライン
pp.139-146
発行日 2023年1月20日
Published Date 2023/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002505
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2022年版「膵癌診療ガイドライン」における大きな変更点として,腹部超音波検査(US)の位置づけが変更された点が挙げられる.USは初診時の低侵襲的なスクリーニング検査であるばかりでなく,がん検診や人間ドックなどの任意型検診における多臓器スクリーニング検査として重要であることに変わりはない.またUSを軸とした病診連携プロジェクトの全国的な普及が膵癌早期発見につながっていることから,USは膵癌早期診断に非常に重要なモダリティであるといえる.一方,USにおける膵臓描出の限界から家族性膵癌家系などの膵癌高リスク因子保有者に対しては超音波内視鏡検査(EUS)やMRIなどの精密精査を初回スクリーニング時に行うことも推奨されてきている.さらには近年の画像診断能向上により他疾患診断目的のCTやMRIなどをきっかけに膵癌が発見されることも多いことから,アルゴリズムの改訂が望まれていた.本稿では2022年に改訂された「膵癌診療ガイドライン」における膵癌診断アルゴリズムを中心に概説する.
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