特集 胆膵の画像・内視鏡診断の進歩―早期診断と正確な診断のために
2.膵癌早期診断 ―内視鏡医の立場から
蘆田 玲子
1
,
川路 祐輝
1
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学第二内科
キーワード:
膵癌
,
超音波内視鏡検査
,
連続膵液細胞診
,
上皮内癌
,
早期診断
Keyword:
膵癌
,
超音波内視鏡検査
,
連続膵液細胞診
,
上皮内癌
,
早期診断
pp.1609-1617
発行日 2023年11月20日
Published Date 2023/11/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002864
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
膵癌早期診断のためには,家族性膵癌や膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)などの膵癌高リスク群の囲い込みが重要である.腹部USはスクリーニング検査として有用であり,膵癌の間接所見である膵管拡張や囊胞性病変の拾い上げに用いられることが多いが,超音波内視鏡検査(EUS)は最も解像度の高い画像診断であり,膵精査を行う際には必須なモダリティである.EUSは高い空間分解能を有し,造影CTやMRIでは描出困難な小病変でも診断可能である.また直視型ラジアル式EUSは上部消化管と胆膵領域の同時スクリーニングが可能であり,膵癌早期診断への積極的な応用が期待される.腫充実性腫瘤の病理学的診断はEUS下穿刺吸引生検(EUS-FNA)により行うが,腫瘤が穿刺困難もしくは上皮内癌を疑う場合には内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)時に膵管内に内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)チューブを留置し,複数回膵液を採取する連続膵液細胞診(SPACE)が有用である.
Copyright © 2023, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.