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特集 胆膵EUSのトラブルシューティング
[治療的EUS 各論]
Peripancreatic/pancreatic fluid collection(PFC)ドレナージ
穿刺ルートが拡張できない
Troubleshooting for puncture tract dilation during EUS-guided drainage for PFC
三長 孝輔
1
,
大塚 康生
1
,
益田 康弘
1
,
竹中 完
1
,
工藤 正俊
1
Kosuke Minaga
1
,
Yasuo Otsuka
1
,
Yasuhiro Masuta
1
,
Mamoru Takenaka
1
,
Masatoshi Kudo
1
1近畿大学医学部消化器内科
キーワード:
膵周囲液体貯留
,
EUS下経消化管的ドレナージ
,
トラブルシューティング
Keyword:
膵周囲液体貯留
,
EUS下経消化管的ドレナージ
,
トラブルシューティング
pp.1971-1975
発行日 2022年12月25日
Published Date 2022/12/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000564
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はじめに
膵周囲液体貯留(peripancreatic/pancreatic fluid collection:PFC)は,急性膵炎や慢性膵炎の経過中に出現する局所の合併症であり,感染例や有症状例(腹痛,黄疸,消化管通過障害など)では治療介入が必要となる。現在,感染例や有症状例のPFCのドレナージ法としては,EUS下経消化管的ドレナージ(EUS-guided transluminal drainage:EUS-TD)が低侵襲治療として広く行われている。EUS-TDの治療手技は,①穿刺,ガイドワイヤーの挿入,②穿刺ルートの拡張,③ステントの留置,の大きく3つのステップに分けられる。これらのステップのなかで,②穿刺ルートの拡張は最も難しい,手技成功のカギを握るステップであり,これまでにさまざまな工夫やデバイスの開発が行われてきた。PFCに対するEUS-TDを成功させるための過程において,②穿刺ルートの拡張を円滑に行うことが手技全体の律速段階といっても過言ではない。2018年末より穿刺ルートの拡張ステップが不要なEUS-TD専用処置具であるHot AXIOSTM(Boston Scientific社)が本邦でも保険収載され使用可能となったが,本稿では,従来の3ステップ法を用いたEUS-TDにおける,②穿刺ルートの拡張におけるコツや困難例に対するトラブルシューティングについて概説する。
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