Japanese
English
特集 胆管カニュレーション―基本から困難症例まで―
[通常法]
乳頭形態別の胆管カニュレーション戦略
Strategies for biliary cannulation based on the morphology of the duodenal papilla
竹中 完
1
,
栗本 真之
1
,
原 茜
1
,
田中 秀和
1
,
福永 朋洋
1
,
吉田 晃浩
1
,
中井 敦史
1
,
山﨑 友裕
1
,
大本 俊介
1
,
三長 孝輔
1
,
鎌田 研
1
,
工藤 正俊
1
Mamoru Takenaka
1
,
Masayuki Kurimoto
1
,
Akane Hara
1
,
Hidekazu Tanaka
1
,
Tomohiro Fukunaga
1
,
Akihiro Yoshida
1
,
Atsushi Nakai
1
,
Tomohiro Yamazaki
1
,
Shunsuke Oomoto
1
,
Kousuke Minaga
1
,
Ken Kamata
1
,
Masatoshi Kudo
1
1近畿大学消化器内科
キーワード:
胆管挿管
,
近接法
,
見上げ法
Keyword:
胆管挿管
,
近接法
,
見上げ法
pp.1252-1264
発行日 2024年9月25日
Published Date 2024/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001577
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はじめに
胆管挿管とはカテーテルもしくはガイドワイヤーを胆管開口部にあてがい,乳頭部内の胆管軸に沿わせてカテーテルもしくはガイドワイヤーを進めていき深部挿管に至るというものである。しかし乳頭部の形態は千差万別であり,一万人の人がいれば一万の乳頭の形態があり,まったく同じものは一つとして存在しない。すなわち「対峙する乳頭がどのような形態で,その内部を胆管がどのように走行をしているかをイメージし,どの挿管手法を用いれば最も挿管成功率が高くなるか」という胆管カニュレーション戦略を乳頭にタッチする前に立てることができるか,立てようとできるか,が胆管挿管成功の最も重要な鍵となる。戦略を立てることができないよりもここに重きをおかず,何も考えずに感覚のみで胆管挿管しえたとしてもそれはたまたま成功しただけであり,胆管挿管率の向上は望めず,何よりいつか対峙する挿管困難症例を克服することは難しい。仮に自身が術後膵炎という合併症があるERCPを受けなければならない状況に陥ったと想定し,感覚のみで挿管を試みられるのと,あらゆることを想定してきちんと戦略を立てて慎重に試みられるのと,どちらがよいか。答えは明白である。乳頭形態別の胆管挿管戦略を立てることができる術者になるためには,多くの先人により蓄積された知識を知ろうとし,理解することが必要である。続いて,それぞれの乳頭形態,乳頭部内胆管走行にふさわしい胆管挿管法があるということを知り,それぞれの挿管法の長所短所を理解し,そのうえで思いどおりにカテーテルやスコープを動かせる技術を習得できるかが重要なステップとなる。
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