Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅲ.その他
小腸muco-submucosal elongated polyp
Enteric muco-submucosal elongated polyp
中村 直裕
1
,
和久津 亜紀子
1
,
有馬 美和子
1
,
長田 宏巳
2
Naohiro Nakamura
1
,
Akiko Wakutsu
1
,
Miwako Arima
1
,
Hiromi Osada
2
1上尾中央総合病院消化器内科
2上尾中央総合病院病理診断科
キーワード:
enteric muco-submucosal elongated polyp
,
バルーン小腸内視鏡
,
腸重積
Keyword:
enteric muco-submucosal elongated polyp
,
バルーン小腸内視鏡
,
腸重積
pp.676-677
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001417
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疾患の概要
1994年に真武らが「正常粘膜で覆われ,粘膜下層の静脈・リンパ管拡張を伴う浮腫状の疎性結合織からなり,正常の筋層を認めない細長い有茎性の非腫瘍性ポリープ」をcolon muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)と呼称した1)。小腸にも同様な特徴を有するポリープが存在することを2000年に西脇らが報告し2),2008年,杉森らは小腸MSEP (enteric MSEP:EMSEP)という呼称を提案した3)。なんらかの原因で生じた粘膜,粘膜下層の隆起が腸の蠕動運動などにより,物理的に引き伸ばされて,特徴的な細長いポリープが形成される可能性が示唆されている。EMSEPの報告数は少なく,明確な頻度は不明である。年齢は30~80歳台とさまざまで,男性にやや多い。上部空腸,回腸末端に多く,大きさは数mmから20cmとさまざまである。内視鏡所見は,明瞭な頭部・茎部の境界がなく,脳回転状皺襞や発赤を伴うことが多い。症状は下血,貧血が多く,カプセル内視鏡やバルーン小腸内視鏡(ballon assisted enteroscopy:BAE)で精査を行って発見されることがほとんどである。非腫瘍性ポリープであるため治療は内視鏡的切除が多いが,外科手術が行われることもある。
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