Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅲ.その他
憩室,先天性形成不全
腸管重複症
Duplications of the duodenum and small intestine
竹内 弘久
1
,
高木 泰介
1
,
小島 洋平
1
,
鶴見 賢直
1
,
橋本 佳和
1
,
大木 亜津子
1
,
阪本 良弘
1
,
須並 英二
1
,
阿部 展次
1
Hirohisa Takeuchi
1
,
Taisuke Takagi
1
,
Youhei Kojima
1
,
Masanao Tsurumi
1
,
Yoshikazu Hashimoto
1
,
Atsuko Ohki
1
,
Yoshihiro Sakamoto
1
,
Eiji Sunami
1
,
Nobutsugu Abe
1
1杏林大学医学部消化器・一般外科
キーワード:
腸管重複症
,
十二指腸重複症
,
成人発症
Keyword:
腸管重複症
,
十二指腸重複症
,
成人発症
pp.664-665
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001411
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疾患の概要
腸管重複症は,球状ないし細長い管腔構造を呈し,①平滑筋層を有し,②消化管粘膜(類似粘膜)で覆われ,③本来の消化管と一部が密接していると定義されており,舌根から肛門に至る全消化管のどの部位にも発生する先天性疾患である1)。出生の4,500人に1人の頻度でみられ,十二指腸以下の腸管に発生するものが8割以上で,特に回盲部を含む回腸に半数以上発生するとされる。性別では男性57%,女性43%で若年男性に多い。70~80%が2歳未満で嘔吐や腹満などの消化管通過障害の症状を呈し発見される2)。発生機序としては,腸管再開通阻害説,脊索分離障害説,血行障害説がある3, 4)。形態が非常に多様で,①管状憩室型(小腸管の側面から分岐し,40~50cmの長さを形成し,胸腔内に達するものなど),②ダブル・バレル様型(一端が小腸や結腸と交通する長管状のもので,本来の腸管と並走している),③囊型(腸間膜の中に遺残して存在し,本来の腸管に隣接または密着するが,ほとんどは本来の腸管と交通していない),最も多い④球状管腔型(消化管の一部から生じ,一般的には消化管と交通していない)に分類される1)。
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