Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅲ.その他
憩室,先天性形成不全
小腸憩室
Diverticulum of the small intestine
池原 久朝
1
,
横山 薫
1
,
小林 清典
2
,
草野 央
1
Hisatomo Ikehara
1
,
Kaoru Yokoyama
1
,
Kiyonori Kobayashi
2
,
Chika Kusano
1
1北里大学医学部消化器内科学
2北里大学医学部新世紀医療開発センター
キーワード:
小腸憩室
,
消化管出血
,
OGIB
Keyword:
小腸憩室
,
消化管出血
,
OGIB
pp.666-667
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001412
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疾患の概要
小腸の憩室は消化管疾患のなかでも重要な臨床的疾患で,おもに高齢者に発生する。小腸憩室の有病率は0.06~0.31%で全消化管憩室の1.4~3.2%と報告されている1)。小腸憩室の好発部位は空腸が多く,小腸憩室の約80%が空腸に存在する。小腸憩室の多くは仮性憩室である。Meckel憩室は真性憩室で小腸憩室とは発生の過程も異なることから区別される。小腸憩室の診断にはカプセル内視鏡(capsule endoscopy:CE)や小腸内視鏡,消化管造影検査が行われる。CEは小腸全体を包括的に可視化する非侵襲的内視鏡検査であり,微小なangiodysplasiaや小腸憩室の検出においても有用性は高い。小腸憩室は合併症を伴わなければ無症状である。合併症には憩室炎,穿孔,膿瘍形成,出血,狭窄などがある2)。憩室炎による穿孔から腹腔内膿瘍を形成した場合などでは外科切除が必要となる場合もある。小腸出血に対しては小腸内視鏡による止血処置が有効とされる。
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