Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
治療行為に伴う粘膜傷害
抗腫瘍薬・分子標的薬起因性腸炎
Enteritis induced by chemotherapy including molecular targeted drug
澤田 つな騎
1
,
中村 正直
1
,
川嶋 啓揮
2
Tsunaki Sawada
1
,
Masanao Nakamura
1
,
Hiroki Kawashima
2
1名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
2名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
キーワード:
抗腫瘍薬
,
分子標的薬
,
小腸炎
Keyword:
抗腫瘍薬
,
分子標的薬
,
小腸炎
pp.632-633
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001396
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疾患の概要
癌化学療法に伴う下痢症は,投与後数時間で出現するコリン作動性の早発性下痢と,数日経過してから出現する後発性下痢に分けられる。後発性下痢の発症機序は,薬剤作用による腸粘膜に損傷,運動障害,上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)シグナル伝達経路の調節不全,腸内細菌叢の変化などが考えられている。後発性下痢を引き起こしやすい薬剤として5-フルオロウラシル(5-FU)やイリノテカン,EGFRおよびEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor:TKI)などが知られている。
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