Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
治療行為に伴う粘膜傷害
免疫チェックポイント阻害薬による腸炎
Immune checkpoint inhibitor (ICI)-induced enteritis
桜井 健介
1,2
,
小田切 信介
3
,
桂田 武彦
1
Kensuke Sakurai
1,2
,
Shinsuke Otagiri
3
,
Takehiko Katsurada
1
1北海道大学大学院医学研究院内科学講座消化器内科学教室
2釧路ろうさい病院
3北見赤十字病院消化器内科
キーワード:
免疫チェックポイント阻害薬
,
薬剤性腸炎
,
免疫関連有害事象
Keyword:
免疫チェックポイント阻害薬
,
薬剤性腸炎
,
免疫関連有害事象
pp.634-635
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001397
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
疾患の概要
免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor:ICI)は腫瘍細胞に対する免疫反応を活性化することで抗腫瘍効果を発揮するものであり,そのために自己炎症性疾患様の副作用が発現することがあり,それらは免疫関連有害事象と呼ばれている。免疫関連有害事象による消化管障害が,食道,胃に生じることは稀である。消化管障害のうち,最も高頻度にみられるのが大腸炎であり,その頻度は抗CTLA-4抗体では5~16%,抗PD-1/PD-L1抗体では1~2%に認めると報告されている。大腸炎発症までの期間については,治療開始から数日で発症する症例から,ICI治療終了から数カ月後に腸炎を発症する症例もあり,どの時期でも起こりうる。小腸炎に関しては非常に報告が少なく,数編の症例報告があるのみであり,発症率などの疫学はほとんどわかっていない。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.