Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅲ.その他
血管性病変
小腸多発血管腫
Multiple small intestinal hemangiomas
河村 達哉
1
,
山村 健史
2
,
中村 正直
1
,
前田 啓子
2
,
澤田 つな騎
1
,
石川 恵里
1
,
横井 太紀雄
3
,
川嶋 啓揮
2
Tatsuya Kawamura
1
,
Takeshi Yamamura
2
,
Masanao Nakamura
1
,
Keiko Maeda
2
,
Tsunaki Sawada
1
,
Eri Ishikawa
1
,
Takio Yokoi
3
,
Hiroki Kawashima
2
1名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部
2名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
3山下病院病理科
キーワード:
小腸多発血管腫
,
小腸出血
,
ダブルバルーン小腸内視鏡
Keyword:
小腸多発血管腫
,
小腸出血
,
ダブルバルーン小腸内視鏡
pp.652-653
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001405
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疾患の概要
小腸血管腫は消化管腫瘍全体の0.05%未満しかない比較的稀な腫瘍で,性差はないとされる1, 2)。小腸血管腫は回腸よりも空腸に発生しやすく,時に多発例がみられることがある2)。臨床症状としては消化管出血が最も多く,次いで貧血や腹痛があげられる。全身皮膚および消化管を中心に血管腫が多発する青色ゴムまり様母斑症候群(blue rubber bleb nevus syndrome:BRBNS)のような疾患もあり,小腸多発血管腫を見つけた際には皮膚疾患の検索が必要である。治療は一般的に手術が基本とされているが,多発例もあり手術では全病変の切除が困難なことがある3)。近年,粘膜下層に留まっている小腸血管腫であれば,硬化剤による局注療法4)やEMR5)などの内視鏡治療を選択している報告があるが,小腸壁は菲薄であるため穿孔のリスクが高いことや不十分な内視鏡治療は治療後の再発をきたすリスクがあることを十分に留意する必要がある。
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