Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
自己免疫疾患・膠原病・血管炎など
Crohn病に随伴した小腸癌
Small intestinal cancer in Crohn’s disease
内野 基
1
,
池内 浩基
1
Motoi Uchino
1
,
Hiroki Ikeuchi
1
1兵庫医科大学消化器外科学講座炎症性腸疾患外科
キーワード:
Crohn病
,
小腸癌
Keyword:
Crohn病
,
小腸癌
pp.594-595
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001377
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疾患の概要
Crohn病(以下,CD)でも長期にわたる腸管炎症に癌が合併することが知られているがその大部分は大腸癌で,小腸癌の合併は少ないと考えられている。しかし過去のメタ解析では小腸癌発生相対リスクは31.2(95%CI:15.9~60.9),累積危険度は小腸型 CD発症後10年の経過で0.2%,25年で2.2%であった1)。筆者が行ったメタ解析では大腸癌発生相対リスクは2.13 (95%CI:1.68~2.70),小腸癌発生相対リスクは25.91(95%CI:15.67~42.82)といずれも有意に高かったが,報告上での有病率をみると大腸癌57/7,344(0.77%),小腸癌有病率17/7,344(0.23%)と,特に小腸癌では高いとはいいがたい2)。報告例からみた小腸癌の特徴は若年,男性に多い,遠位小腸に多いとされ,長期罹患,多発潰瘍,瘻孔形成部,バイパスなどによる空置腸管が発癌の危険因子とされている3~5)。
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