Japanese
English
特集 十二指腸・小腸疾患アトラス
Ⅱ.炎症性疾患
感染症:寄生虫,原虫性
条虫症
Taeniasis (tapeworm infection)
大川 純平
1
,
髙橋 索真
1
,
稲葉 知己
1
Jumpei Ohkawa
1
,
Sakuma Takahashi
1
,
Tomoki Inaba
1
1香川県立中央病院消化器内科
キーワード:
条虫感染症
,
日本海裂頭条虫
,
無鉤条虫
,
有鉤条虫
Keyword:
条虫感染症
,
日本海裂頭条虫
,
無鉤条虫
,
有鉤条虫
pp.572-573
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000001366
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疾患の概要
条虫とは扁形動物門の条虫綱に属する寄生虫の総称で,紐状で,サナダ虫とも呼ばれ,成虫では10m以上に発育する場合もある。雌雄同体で各体節に雌雄生殖器を有し,虫卵を宿主の消化管内に排泄する。本邦で遭遇する機会の多い日本海裂頭条虫および無鉤条虫では幼虫囊胞(囊虫)の存在する食材を経口摂取することで感染する。食材を56°C以上で加熱するか,-20°C以下で24時間以上冷凍することで囊虫は死滅するため,感染予防に有用である。一方,有鉤条虫は囊虫が存在する食材の摂取だけではなく,虫卵で汚染された水などの摂取で感染する。条虫症の診断には摂食歴や海外渡航歴の聴取が重要である。プラジカンテルやニクロサミドなどの駆虫薬の内服で治療されることもある。条虫は頭節,頸部,体節からなり,完全な駆虫には頭節を含めた虫体の体外への排除が必要である1)。
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